訪問リハビリへの転職を考えている言語聴覚士の方へ。
本記事では、訪問リハビリの業務内容や病院勤務との違い、やりがいについて詳しく解説します。
訪問リハビリに不安を感じている方でも、この記事を読めば働き方のイメージがつかめるはずです。
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1. 訪問リハビリとは?
訪問リハビリとは、言語聴覚士(ST)が利用者の自宅や施設を訪問し、言語機能、嚥下機能、認知機能のリハビリを提供するサービスです。
病院と異なり、利用者の生活環境の中で直接支援を行うため、実生活に即したアプローチが可能です。
「病院勤務では昇給がほとんどなく、将来が不安…」 そう感じている方は多いのではないでしょうか? 実際、病院勤務のSTの平均年収は、他のリハビリ職と比べても低めに設定されていることが多く、不満を感じる人も少なくありません。[…]
2. 病院勤務との違い
訪問リハビリと病院勤務では、業務内容や働き方に大きな違いがあります。
項目 | 病院勤務 | 訪問リハビリ |
---|---|---|
療法の場 | 病院・施設内 | 利用者の自宅や施設 |
対象 | 入院患者が中心 | 退院後の利用者が多い |
介入時間 | 1回20〜40分程度 | 1回40〜60分程度 |
チーム連携 | 医師・看護師・他職種との密な連携 | 看護師やケアマネージャーとの連携が中心 |
仕事内容 | 言語・嚥下・認知機能の評価と訓練 | 生活環境に応じた言語・嚥下・認知リハビリ |
記録 | 電子カルテが主流 | 紙カルテやタブレット使用 |
訪問リハビリでは、病院のように設備が整っていないため、家庭環境の中で適切なリハビリを行うスキルが求められます。
また、医師が常に近くにいるわけではないため、ST自身がより主体的に判断する機会も増えます。
3. 訪問リハビリの主な業務内容
訪問リハビリにおける言語聴覚士の具体的な業務は以下の通りです。
評価・計画の立案
利用者の言語機能・嚥下機能・認知機能を評価し、個別のリハビリプランを作成。
言語リハビリ
失語症・構音障害などの訓練。
嚥下リハビリ
摂食・嚥下障害に対する訓練や食形態の調整。
嚥下造影検査(VF)・嚥下内視鏡検査(VE)の調整
地域の医療機関と連携し、必要に応じて検査日程を調整。
家族指導・介助方法の提案
家族が適切な介助をできるよう指導。
在宅で家族と円滑なコミュニケーションが図れる様に支援をしていく。
医療・介護スタッフとの連携
ケアマネージャーや訪問看護師と情報共有し、利用者の状態を確認。
計画書・報告書の作成
訪問リハビリでも利用者ごとの計画書やリハビリの経過報告書を作成し、関係者と共有。
担当者会議・地域ケア会議への参加
利用者のケアプランを検討するための会議に出席し、リハビリの視点から意見を述べる。
小児のリハビリ
言葉の発達に遅れのある小児の訪問リハビリも求められる分野。
小児の経験がない場合、訪問しながら学ぶか、小児を取り扱っていないステーションへ転職することも選択肢。
営業活動
訪問看護ステーションによっては、STが1人で入職してもリハビリ対象の利用者が少ない場合がある。
そのため、地域のケアマネージャーや医療機関へあいさつ回りを兼ねた営業活動を行い、利用者を増やす努力も求められることがあります。
4. 言語聴覚士の訪問ならではのやりがい
訪問リハビリは、利用者の生活に密着した支援ができるため、大きなやりがいを感じることができます。
生活に直結したリハビリができる
病院では退院前の訓練が中心ですが、訪問リハビリでは実生活の場面でリハビリができるため、成果が実感しやすい。
利用者・家族と深い信頼関係が築ける
継続的に訪問することで、利用者や家族との信頼関係が深まり、長期的な視点で支援が可能。
訪問STのニーズが非常に高い
言語聴覚士は理学療法士や作業療法士と比べて人数が少なく、ほとんどが病院勤務のため、訪問リハビリで働くSTは非常に貴重。訪問看護ステーションにとってもSTがいることは差別化のポイントとなり、新規の依頼を取りやすい。
事業の収益性にも貢献
STのリハビリを必要とする利用者は、看護ケアや身体リハビリも必要とすることが多く、事業所全体の収益にもつながる。
5. 訪問リハビリに向いている言語聴覚士とは?
訪問リハビリは、以下のような言語聴覚士に向いています。
- 利用者との関わりを大切にしたい人
- 自主的に判断しながらリハビリを進めたい人
- 環境に応じた柔軟な対応ができる人
- 小児や嚥下リハビリに興味がある人
- 移動や訪問スケジュールの管理ができる人
6. まとめ
訪問リハビリは、病院勤務とは異なり、利用者の生活に密着した形でリハビリを提供できる魅力的な分野です。
特に訪問STのニーズは非常に高く、ステーションにとっても差別化のポイントになります。
小児や嚥下リハビリなど、新たな分野に挑戦する機会もあります。
訪問リハビリへの転職を考えている言語聴覚士の方は、まずは実際の現場を見学し、自分に合う働き方かどうかを確認してみるのもよいでしょう。
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