「なるほど。でも、病院とは違って一人で訪問するので、何か大変そうな部分もありますよね?」
「確かに、一人での訪問は責任が伴いますが、その分、患者さん一人ひとりとじっくり関われるのが魅力です。緊急時には、医師や事業所と連携を取って対応するので、一人で抱え込むわけではありません。また、月末には報告書の作成やケアマネへの提出業務もあります。書類を直接持参することで、事業所の営業活動にもつながりますよ。」
「オンコールの対応もあると聞いたのですが、実際はどうですか?」
本記事では、訪問看護や訪問リハビリの業務内容といった働き方に対して疑問を解消する内容になっています。
訪問看護の具体的な業務内容
訪問看護の業務は、大きく分けて以下のようなものがあります。
- 医療処置
- 点滴管理、バルーンカテーテルの管理、人工肛門(ストーマ)ケア
- 吸引、酸素管理、褥瘡(じょくそう)ケア
- 血糖測定、インスリン注射の指導
- 日常生活のサポート
- 食事や排泄の介助
- 清拭や入浴介助
- ご家族への介護指導
- リハビリの補助
- 簡単な運動指導
- 関節可動域訓練(ROM訓練)
- 書類業務
- 訪問看護記録
- 医療機関やケアマネージャーへの報告書作成
- 月末の報告書提出(直接訪問が推奨される)
- オンコール対応
- 緊急時の対応(夜間・休日)
- 医師や家族との連携
- カンファレンスに参加
- 退院前カンファレンスに参加
- 担当者会議に参加
訪問リハビリの具体的な業務内容
訪問リハビリは、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が行うリハビリテーション業務です。
- 身体機能の回復支援(PT)
- 歩行訓練、筋力強化訓練
- 関節可動域訓練(ROM訓練)
- バランス訓練
- 日常生活動作(ADL)の訓練(OT)
- 食事、着替え、入浴などの動作訓練
- 精神科利用者の作業療法
- 家事動作訓練
- 言語・嚥下リハビリ(ST)
- 発話訓練、構音訓練
- 嚥下訓練
- コミュニケーション支援
- 環境調整・指導
- 福祉用具の選定、住宅改修の助言
- 家族や介護者への指導
- 書類業務
- 訪問リハビリ計画書の作成
- 月末の報告書提出(ケアマネや医療機関への持参推奨)
- 利用者の状態が悪化した場合、主治医やケアマネに報告
- 定期的に担当者会議や退院前カンファに参加
- カンファレンスに参加
- 退院前カンファレンスに参加
- 担当者会議に参加
訪問看護師と訪問リハビリの1日の流れ
1件の訪問は基本的に30分〜1時間程度です。
長時間になれば1時間半にもなることもあります。
訪問看護師の1日の流れ(例)
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:30 | 事業所に出勤、1日のスケジュール確認 |
9:00 | 1件目の訪問(バイタルチェック、点滴管理) |
10:30 | 2件目の訪問(褥瘡ケア、服薬管理) |
12:00 | 休憩 |
13:00 | 3件目の訪問(排泄介助、家族指導) |
14:30 | 4件目の訪問(終末期ケア、家族フォロー) |
16:00 | 事業所へ戻り、報告書作成、ケアマネへ提出 |
17:30 | 退勤(オンコール対応がある場合あり) |
訪問リハビリ職の1日の流れ(例)
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:30 | 出勤、1日のスケジュール確認 |
9:00 | 1件目の訪問(歩行訓練、ストレッチ指導) |
10:00 | 2件目の訪問(可動域訓練、家族指導) |
11:00 | 3件目の訪問(ADL訓練) |
12:00 | 休憩 |
13:30 | 4件目の訪問(バランス訓練、筋力強化) |
14:30 | 5件目の訪問(ADL訓練、環境調整) |
15:30 | 6件目の訪問(リハビリ評価、ケアマネ報告) |
16:30 | 事業所へ戻り、記録作成、ケアマネへの報告書提出 |
17:30 | 退勤 |
悩む看護師 「訪問看護って、病院と違って直行直帰できるの?」 Ayumi 「うん、できるところが多いよ!でも、向き不向きがある働き方だから、メリットもデメリットも知っておいたほうがいいね。」 […]
まとめ
今回紹介した訪問業務はあくまで一例です。
それぞれの事業所によって強みが異なります。
例えば、小児に特化している事業所や、精神科に強い事業所、ターミナルケアに特化している事業所などがあります。
ターミナルの利用者が多い場合、利用者の急変に伴う夜間の対応(オンコール)が増えることもあります。
その分、手当も大きいですが、ワークライフバランスが崩れることもあるため、その辺をしっかりと調査して転職先の訪問看護事業所を選ぶことが重要です。
また、会社説明時や面接時にその点を確認しておくことをおすすめします。また会社説明や面接時にその点を詳しく質問しづらいのであれば転職エージェントを利用し、キャリアアドバイザーに転職先に質問してもらうのも良いでしょう。
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