看護師の副業としてセミナー講師や資格講座の講師は「高単価でかっこいい仕事」に見えますが、実際には準備や資料作成に時間がかかりすぎて、割に合わないことが多いのが現実です。
もちろんやりがいは大きい副業ですが、「効率良く副収入を得たい」という目的ならあまりおすすめできません。
効率的に稼ぎたい方は、こちらの記事【看護師におすすめの副業10選(在宅ワーク・単発バイト・資格活用)】もあわせて参考にしてください。
講師業は単発の報酬は高いが…
セミナーや資格講座の講師は、1回の依頼で1時間〜2時間の講義をして1万円〜3万円程度の報酬がもらえることがあります。
一見すると時給換算で高収入のように見えますが、実際には以下のような負担が発生します。
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資料作成に数時間〜数十時間かかる
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発表の練習に1時間以上かかる
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往復の交通時間も必要
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緊張や本番対応で精神的にも疲れる
これらを合計すると、実質の時給は1000円以下になることも珍しくありません。
効率性を考えると、夜勤専従バイトや訪問看護の単発勤務といった副業の方が現実的です。
詳しくはこちらの記事【看護師におすすめの副業10選】で解説しています。
同じ研修を繰り返してやっと採算が取れる
講師業である程度割に合うようになるのは、同じ研修や講習を繰り返し行えるようになってからです。
初回は資料作成や練習に莫大な時間がかかりますが、2回目以降は資料を使い回せるため、負担は減ります。
ただし、「資料を流用できるかどうか」は研修内容次第。毎回新しいテーマを求められる場合は、負担が減らないどころか増えるケースもあります。
負の連鎖に陥ることもある
講師を一度引き受けると、次回も「別の研修テーマをお願いします」と依頼されることが多いです。
そのたびに新しい資料をゼロから作らなければならず、準備に追われる負の連鎖に陥る看護師も少なくありません。
結果として、やりがいはあるものの「もう二度とやりたくない」と感じる人もいます。
看護専門学校の非常勤講師はさらに大変
セミナー講師以上に大変なのが、看護専門学校や大学の非常勤講師です。
例えば「基礎看護学」「成人看護学」といった分野で講義を担当すると、
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1コマ90分の講義が10コマ以上
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毎週新しい資料を準備しなければならない
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学生への配布資料、演習内容の準備、試験問題作成も求められる
となり、週ごとに資料作成に追われる日々になります。
やりがいは大きいですが、精神的にも肉体的にも消耗しやすい副業です。
資料を引き継げる場合は負担が減る
一方で、前任の講師が作成した資料を引き継げる場合は話が変わります。
その資料に少し手を加えるだけで講義が成立するため、労力を大幅に削減できるのです。
そのため、非常勤講師の仕事を検討する場合は、資料を一から作らなければならないのか、引き継ぎがあるのかを事前に確認することが非常に重要です。
講師業のやりがいと現実
セミナー講師や資格講座の講師は、
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学んできたことを人に伝えられる
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後輩育成や教育に貢献できる
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「先生」と呼ばれる立場でやりがいを感じられる
といった魅力もあります。
しかし現実には、準備に追われて副業どころか本業以上に負担が重くなるケースも少なくありません。
まとめ:講師業はやりがいはあるが割に合わないことが多い
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講師業は単発での報酬は高いが、準備や移動を含めると実質の時給は低い
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同じ内容を繰り返せば効率化できるが、毎回新しい内容を求められることも多い
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看護専門学校の非常勤講師は特に大変で、週ごとに資料作成に追われる
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前任者の資料を引き継げる場合は負担が減る
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やりがいは大きいが、「効率的に稼げる副業」とは言いにくい
効率的に副収入を得たいなら、講師業よりも夜勤専従や単発バイトなど資格を活かせる副業がおすすめです。
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